こんにちは。いとうさちです。
今日は、先日、セカイをカタチにというサービスの中で提供したセッションの様子をお届けします。
クライアントさんは、元インフルエンサーであり、今はITの業務委託をしながら、新たな表現の形を模索している向井みささん。
セッションのテーマは「理念を作る」こと。
みささんが長年抱えてきた違和感と、ご自身なりの正解。
その狭間で揺れていたみささんが、「あ、これだ」と腑に落ちていくプロセスをお伝えしていきたいと思います。
目次
歴史を残したい。でも・・・いつもやってくる蛙化
みささんは「書きたい」「届けたい」気持ちを持ちながらも、過去のブログ経験を「黒歴史」と語っていました。
当時は野球ブログで多くのフォロワーを集めていたけれど、集まってくる反応と、自分の中にある気持ちとのギャップに疲れ、結果として「全部、やめてしまった」んだそう。
けれど本当は、その時も今も、根っこにあるのは「自分の歴史を残したい」「死んでも誰かの記憶に残るような生き方がしたい」という、確かな衝動でした。
セッションでおっしゃった一言を、そのままみささんにお返ししてみた(笑)
みささんは、お客様やフォロワーさんに対して、いつも感じていたことがあるそう。
「それ、本当に楽しいですか?」
でもね、これ、みささん自身にも当てはまるなと思い、そのまま、お返ししてみたのです(笑)
「楽しいですか?」は、単なる軽い問いではなく、
自分にウソをついていないか、本音からズレていないかを確認する“感情の羅針盤”のような問いです。
みささんは、この問いを通じて、過去の自分がどれほど「本音ではない楽しさ」を装ってきたかに気づきはじめました。
たとえば、以前インフルエンサー的な発信をしていた頃。
プロ野球カープの試合を毎日観て、噛み砕いた結果をブログに綴る──
一見、情熱的で充実しているように見える日々の中で、実は「読者が怖い」「フォロワーが全員嫌いだった」と感じていたこと。
応援され、求められるほどに、自分の楽しみ方や想いとの“温度差”に苦しんでいたこと。
また、今のITの仕事でも、安定してスキルを活かして働く一方で、
「誰でもできる作業をしているだけ」「組織の中で浮かないように、自分を抑えて働いている」と感じていたこと。
本当は、もっと自分のユニークな視点や思考を活かしたいのに、それが組織の中では“異質”とされ、
結果的に「別の部署に飛ばされる」「浮く」といった経験が、みささんの行動を狭めていました。
さらに最近では、せっかく再びブログを始めよう!と思ったにもかかわらず、
また「誰にどう見られるか」「これって稼げるの?」という外側の声が気になり、
大切な想いが埋もれてしまいそうになっていました。
そんな数々の「ズレ」を、自分自身でもう一度見つめ直すことで、
みささんの中で、“本当に楽しい”ことって何?という問いがうまれ、前に進む決意が芽生えたのです。
占い講座で見つかった新しい役割
みささんは、現在は占いを学んでいるそう。
占い師になりたいわけではなくて、自分自身に占いを活かすため。
その占いの先生とのやりとりを、セッションの中で思い出してくださり、「あ!そういうことだったのか!」と、過去現在未来が繋がる場面がありました。
セッションの中で印象的だったのは、みささんのこんな違和感の声でした。
「同じ先生から学んでいるのに、なぜみんな自分の人生を変えられないんだろう?」
周りの受講生さんたちは、体調を崩していたり、気力を失っていたりする人がとても多い。
一方で、みささんは、その占いを自分に活かし、人生がすごく充実しているそう。
その差を感じたみささんは、「この学びを自分に活かせば、もっと変われるはずなのに」と強く感じていました。
自分はしっかり自己分析を深め、自己成長に繋げられている。なのに、なぜ他の人たちは──?
その答えは、「人を占うことばかりに意識が向き、自分自身を占えていない」こと。
つまり、自分を見つめる目を持たずに、誰かの未来を語ろうとしてしまっている矛盾に、みささんは気づいたのです。
「きっとみささんは、学びを自分に活かすことが得意なんだと思う」
「ほかの人は、出来なくて、みささんだから出来ること、ここにヒントがあるはずだからもっと深めてみて!」
とアドバイスを伝えました。
ここから導き出されたのが、「占い師たちのマインドを育てる」という役割もありそう!と新発見。
占いの技術を教えるのではなく、
「自分をまず占い、自分の人生に責任を持つ」
──そのスタートラインに立たせるための支援。
それは、これまでの自分自身の生き方そのものが、何よりの説得力を持つ道でした。
自分が見えていない占い師たちに対して、ただ技術を教えるのではなく、マインドから支える“裏の右腕”としての役割。
「これは私にしかできない」と、みささんは最後に力強く語ってくださいました。
セッションを終えて:いとうさちが大切にしていること
今回のセッションで私が意識したのは、「問いかけ」と「肯定」のバランスです。
みささんのように、内省が深く、言語化が得意な方ほど、頭の中で答えを出しすぎてしまうこともあります。
だからこそ、ただ情報を整理するのではなく、その奥にある感情の震えや違和感に一緒に立ち止まりながら、言葉にしていく。
そのプロセスこそが、自分自身との深い対話となり、やがて“発信すべき言葉”になっていきます。
最後に
いとうさちのセッションは、「こうすればうまくいくよ」といったノウハウ提供ではありません。
むしろ、「うまくいってる風」を手放す時間です。
その人にしかない“言葉にならない想い”を、じっくり紐解いていく対話の中で、
いつの間にか、前に進むための設計図が自然と浮かび上がってきます。
もし、あなたの中にも「このままでいいのかな」「言葉にしたいのに、まとまらない」という想いがあるなら。
ぜひ一度、言葉の種を一緒に探しにきてください。
きっと、見つかります。
■「楽しいですか?」という問いは、本音とつながるための羅針盤。
■過去の経験や葛藤は、役割や提供価値のヒントになる。
■“うまくいく風”を手放すと、自分にしかない言葉が現れる。